池波正太郎のエッセイからフランス旅/田園

鬼平犯科帳や、藤枝梅安・剣客商売・雲霧仁左エ門 など、テレビでおなじみの時代劇の原作者・池波正太郎さんの作品はもう、ファンが多くて、知りつくしたプロたちがたくさんおります!

私は、池波正太郎さんの小説以外に、味わい深い絵やエッセイが大好きで、他の方のブログでもあった、池波節の読みやすい文、引きこまれ感。また読み返したくなる本がいろいろあるんです。

今回は、フランス旅行をメインにネコ好きの池波さんの趣味の部分を覗き見しようと思います。

実際私もフランスに行ったことがないですが、行ったような気持ちで夢が膨らみました。良かったらお付き合いください。

池波正太郎とフランス旅

池波正太郎さんと、その旅をともにしてくれる二人の青年がおります。

もとは、雑誌の編集だった佐藤隆介さんとカメラマンの男性Yさんが、池波邸へインタビューに行ったことからご縁が始まります。

必ず、海外に行く際は、薬を持参しているとこが用意のいい池波さんです。案の定、一緒に行く仲間がちょいちょい体調を崩す場面もありました。

恐らく池波さんとのお出かけが、フランスで車の運転をしたり、カメラ機材を持ち歩いたり、お金を預けられたり、通訳をしたりと、責任や緊張を伴うことが重なってのことだと思いました。

そんな池波さんは、自分でお誘いしたので、彼らにお金を出させるようなことがなかったのも、感じ取れました。

池波正太郎さんは、旅先で写真を撮ったり、のちに絵を描いたりして、作品がたくさんあります。

こちらの絵は、池波正太郎記念館で以前にカレンダーとして購入したものから、私の好みで抜粋しました。

いつも時代小説を書いている池波さんが、ヨーロッパの風景を描くと色彩が柔らかいです。

池波さんは、幼少期から絵を描くのが好きだったから、自分のエッセイに惜しみなく絵を入れてくれて、楽しいんです。

フランスの中心を流れる川を、街中からではなく、田園旅から見た風景をのんびり眺めたんでしょうね。

ヨーロッパらしい石の橋梁が、味わい深い一枚です。

池波正太郎とパリ

フランスでは、パリに必ず行く理由があり、パリのレ・アールに、『B・O・F』というお気に入りの居酒屋とそのマスターである、セトル・ジャン氏に会うことが楽しみでした。

当時のフランスの有名作家で、ジョルジュ・シムノンという人がこのB・O・Fの常連でした。

最初こそ、セトル・ジャン氏はむっつりと対応しますが、池波正太郎さんを『日本のシムノン』と、通訳に紹介されると、たちまち気を許したそうで、それ以来、友情交流があったのです。

このお店の話は、他の本にも出るので、よほど好きなんでしょうね。

池波正太郎さんは、このB・O・Fでは、地酒のワインも楽しんでいたそうです。下の写真は、モーゴンというワインを開けてもらう場面ですね。

 

フランス旅は、パリでの再会、美食、日曜日のパリを満喫したあとは、フランス人の休日を味わうという素敵な過ごし方をしております。

それは、パリ市民のいこいの場・モンソー公園に行く前に、大好きなパッシー墓地へ行き、静かで美しい墓地で過ごすことでした。著名人のお墓が多数ありました。

日本の墓地のイメージとは全く違う、怖くない明るい個性あるアートのような世界だったからです。詳しくは「パッシー墓地」検索してくださいね。

モンソー公園は、プラタナスの巨木があり、深い樹木や芝生があり、昔々は牧場だったようなんです。自分でネットで見たら、本当に広大な美しい公園でした!

子供連れの家族や、一人でゆっくりしたい人が、思い思いにベンチに座っている光景の中、池波さんはベンチでショコラのたっぷりかかったゴーフルを食べたりもしたそうで。

『美しい顔立ちの少年が、黒い猫を抱いてベンチに坐っている』

 

池波正太郎さんは、声をかけて写真を撮りながら、猫の会話をしたんですって。

当時の池波家は五頭の猫を飼ってました。

 

池波正太郎と田園旅

澄み切った大気を、こころゆくまで吸い込みながら、電話もかかってはこない田園の中の旅をのんびりとつづけ、新聞も読まず、テレビも観ずに半月ほどの日々を送り迎えしていると、なんだか寿命が延びるようなおもいがしてくる。

といっております。東京暮らしが長いことや、仕事に追われる日々の現実逃避だったようですね。

私は田舎の田園風景がいつでも見れるとこにい居るのですが、歳をとるたび好きになってきてます。

池波さんの説明の中で、時折呼び方が今と違うもので、書いてあったとおりに「オンゼンのホテル」とそのまま検索すると、オンゼンが温泉にリンクしたり。

よくよく調べると、「オンザン」という地名のホテルで、『ドメーヌ・デ・オー・ド・ロワール』に行きつきました。

お陰様で勉強になりました。(笑)

『ドメーヌ・デ・オー・ド・ロワール』は、

屋根裏部屋を入れて16部屋のこじんまりしたホテルで、湖と木々の間から見えて、屋根に尖塔、裏側が、芝生に丸いテーブルとイスがある。

朝には小鳥のさえずりも聞こえる、かわいい感じのシャトーホテルです。

実際のお部屋も、ネットで見ると、色彩と、家具がフランスらしい美的センス。

食堂で、10代の若い純朴な給仕にサービスを受け、料理もフォアグラや舌平目やサラダなどを分け合って食べて、ホテルのマダムに愛想よくされ、とても満足したようです。

自然の中で、人の飾らない純粋さや優しさに触れる旅が、日々の忙しさを一時忘れ、癒されたのが伝わりますね。

池波正太郎と城

オンザンの『ドメーヌ・デ・オー・ド・ロワール』を出発して1時間後には、メルヘンの中に出てくるようなとんがり屋根の円筒に囲まれた小さい城に着くが休館日だった。

次のシュべルニー城についた時には、池波さんは脚が神経痛になり、持参した杖で動く。待ち時間が長く、ホテルへの移動時間を考えて、諦めた。

シュベルニー城は、グレーの屋根に白い壁でシックでとても上品な外観です。

池波さんの即断で、ムーラン城へ向かう。旅のトラブルに対し、機転の良さはさすがだと思います。

池波正太郎とムーラン城の外ピクニック

ムーラン城・これまた休館。しかし城の前庭は牧場で、牛が寝そべっていたり、池にアヒルが泳いでいたり、牡鶏が遊びまわる田舎の光景がやけに気に入ったみたいです。

一緒の佐藤さんが、「ここでピクニックしましょうか?」と提案し、池波さんは上機嫌(多分)で賛成。佐藤さんとYさんが買い出しに行きました。

田舎のにおいを吸い込みながら、ビールを飲み、サンドイッチ・クッキーを食べる楽しさは、計り知れなかったようです。

ついでに、鳥さんたちも乱入して、クッキーをついばんだそう。(笑)

このピクニックスタイルが気に入った池波さんでした☆

高級なものを頂く場面や、美食イメージが強い池波正太郎さんですが、意外にもちょっとしたもので喜ぶあたりが、可愛いと思いました!

広大な自然や美しい風景もごちそうなんだ、とわかってらっしゃるんだなと嬉しくエッセイを読んだものです。

これを読んだ方はどう感じるのかな~

フランス行きたい!とか、お城見てみたい!とか、ピクニックしたい!とかなったら、私もうれしいです。

※このブログの作成にあたり、本の一部ページ引用を、講談社様にお許しを得て、

公益社団法人・著作権情報センター様にも相談し、作成いたしました。

両名様、本当にありがとうございました。

 

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