ねことの出逢い
始まりは、一匹のキジトラソックス
私が精神的に限界だった時、そのねこは冬に突然来ました。
ねこと暮らしたことが全くない私は、ふわっと身体を寄せて、しっぽが私の顔について、ちょっと感激しました。
何かをあげたいけど、ねこのごはんなんて何かも分からず、ねこの生態が分からず、ソーセージをあげたりして。
ねこは次第に通ってきて
スーパーで、その子のパウチを忘れずに買うことも日課になりました。
何日かご飯(カルカンパウチ)をあげて、食べ終わると去っていき、帰る後ろ姿を悲しく見てました。
「また絶対にきて!!」と。
翌日仕事から帰ってくると、合わせたように来てくれて、
来ると、AKB48の『会いたかった』をねこに歌ってました。(笑)
ねこの帰らない宣言
何日か繰り返すうちに、ねこは、部屋にあがりこみ、押入れから出なくなりました。
それが、「ここにいる!」宣言に見えました。子のない夫婦二人暮らしには、不思議な出来事でした。
その日から本当の飼い主さんを探して、近所を聞き歩きましたが、見つからず。
絶対心配してると、正直ハラハラしてました。何かしないとまずいと思い、
大人しいそのねこに首輪をつけて、お手紙も付けて、たぶんいる飼い主さんに居場所をお伝えしたりもしました。アクションはなかった。
猫嫌いなわたし
それまでは、私はねこが嫌いでした。実家のとなりのねこがうちの布団に臭いおしっこをしたり、
飼っていたインコを襲われたり、隣人の知らぬ間に悪さをしにきては、けろっとしていたり、
自分の主人には、とても可愛い態度をしている、ズルくて嫌な生き物にしか見えませんでした。
うちでは性格が穏やかな犬を飼ってたため、性質の違うねこは本当に苦手でした。
猫だらけ
それなのに、何十年後に嫁いだ家の周りは、ねこを飼っているお宅が多く、知らない子が家に入ってきたり。
街中なのに、ワンコより、地域にねこが多かったのです。
それでいて、人もねこも住みやすいような地域なんです。
ねこへの気持ち
そのねこは、大きさはあまり大きくないのと、男子についてるものがないので、女の子のようでした。
私は、もうそのねこが、自分を助けるために来てくれたと思い込んでますから、
『帰らない宣言』を見た時から、「返したくないし、うちにいて!」と、腹が決まり、
今後飼い主さんが見つかっても、「下さい」と頭を下げるつもりでいました。
その時点でねこというものに対して、嫌いな生き物という観点は消え、
家族にしたいという思いしかなくなっていました。
ねこと初めての獣医
獣医に健康チェックや、性別、この柄は何か?年齢はいくつなのか、
ねこについて、あまりに無知だったので、夫とペットクリニックに連れていきました。
性別は雄、去勢済み、歳もまあまあいっているよう、病気はないいが、ミミヒゼンダニがいる。
柄はキジトラですね、と教えられ、ミミヒゼンダニの薬(駆虫薬)と、ワクチンを投与されて来たのです。
ねこについて、知らない事ばかりでした。クリニック代も、1万円以上して、かかるんだと思い知りました。
えー!!オス?!名前も、女の子の名前を付けたけど、可愛いからそのままで(笑)
ねこはほぼ家族
ねこも、家の中で過ごし、留守番もしっかりしてくれました。
子供を持たない我々には、かすがいになってました。
ずらずらとそのねこと暮らし始めて3か月経ち、春になりました。
ねこは、外に出て日向ぼっこしたり、家の周りで過ごすようになりました。
ねこ・飼い主さん現る!
ある天気の良い日に、ねこが玄関から入って来た時に、
張り切って、「おかえり!」と声をかけたら、笑い声がしました。
そして、玄関に来た声の主は、なんと!!本当の飼い主さんでした。
ねこが家に帰ることがなくなり、来ても飼い主さんにそっけない態度をするようになり、
不思議な気持ちになっていたところ、人づたいに私のうちにいるようだと聞いて
訪ねて来くれたとのことでした。
実は、会ったことも、名まえも知らなかったが、
私の家の裏の家の人だったのです。人のいい感じのお母さん的な飼い主さんは、
「良かったら貰ってください」と、こちらが頼む前に言ってくれました。
その嬉しかったこと♡
ねこと正式に家族になる
聞くとねこは、10歳にもなってるベテラン飼い猫さんで、名まえも私たちの付けた名前も、
面白可愛いネームだけど、最初の飼い主さんのつけた名前もまた、力が抜ける可愛いネームでした(笑)
彼は、二つのおもろネームをもつ男(ねこ)になりました。
私たち夫婦は新米飼い主で、ベテラン飼い猫との、凸凹奇妙な同居生活の始まりでした。
ねこのシモベ
そして、夫はもともと猫好きでしたが、猫嫌いな私は、ここから大のねこのシモベに生まれ変わりました。
寝ても覚めてもねこぼっちゃんに夢中。
ちなみにねこぼっちゃんは、顔つきが野性的で、西表ヤマネコのような凛々しいタイプ。
顔に似合って、その界隈では“ケンカ猫”と悪名高い呼ばれ方もされてました。
だからか、前足の爪がなかったり、ちょっと傷みがある子でした。
私のところに来てからは、居場所が見つかったからか、幾分か穏やかになりつつありました。
本当はケンカしたくなかったんじゃないのかと思えてきてました。
ねこ嫌い大克服!
子供時代に、あんなに嫌いだったねこは、かけがえのない守りたい存在に変わってました。
同時に、自分がやっと猫という自立した生き物を、理解できる人間に変わったのだと気づきました。
ねこは、つらいときに、ふんわりした白い胸毛で、私を受け止めてくれました。
その幸福感は、消えたいとすら思った私の心をほぐして、
今度は自分が君たちを守りたいという気持ちに変えてくれました。
手で触れたら、柔らかく・温かく・さりげない優しさを与えてくれて、運命に逆らわず、
懸命に生きている姿を知ると、自分という人間の情けなさや、小ささに気づかされるのでした。
ねこをもっと知りたくて
うちに来てくれたこの子は、私を猫愛に目覚めさせただけでなく、野良猫生活を余儀なくしている子や、飼いネコさん、ジャンルを関係なく『みんなすべて可愛い』と思うようにしてくれました。
外でケンカをする子がいれば、つっかけで走っていき散したり、けがニャンを出さないおばさんに変身(笑)
野良猫問題や虐待について、様々考えることも深まっていき、TNRや、保護、動物愛護の資格にまで興味がわきました。
それだけ私には興味の対象になってます。

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